

本記事ではこんな疑問や誤解を解決していきます。
まず疑問というか論点は2つありますよね。
- 転職エージェントが提示する年収は嘘か?
- 転職エージェントに嘘の年収提示はアリ?
どちらも転職を考えたことがある人なら一度は思ったことがある問題かもしれません
。
それぞれについてまず結論を書いておきます。
- 転職エージェントの提示年収はほぼホント
- 転職エージェントに嘘はつくな
理由や例外、困った時の対処法を順番に確認してもらえればと思います。
転職エージェントが提示する年収はほぼ嘘じゃない
まず一つ目の疑問についての結論から。
転職エージェントが提示する求人の年収はほぼ嘘じゃない
絶対に嘘じゃないとも言わないし、絶対に提示額通りの年収だ、とも言いません。
でも、ほとんどの場合は転職エージェントが出してくる求人票の年収例のレンジ内に入るはず。
理由は次の通り。
- 提示年収の基本
- 嘘をつくメリットがない
- 提示額には幅を持たせている
求人票の年収の基本を確認してから、転職エージェントが提示する年収例に嘘がない理由を順番にみていきます。
提示年収の基本
転職エージェントが提示する年収が本当か嘘かの前に、求人票の年収について基本的な情報を整理しておきましょう。
さすがに勘違いしている人はいないと思いますが。
年収=額面であって手取りじゃない
銀行に振り込まれるのは手取り年収です。
それに対して、転職サイトや転職エージェントが提示する年収は次の諸々をすべて含んだ総支給額です。
- 税金
- 残業代
- 職務手当
- 地域手当
- 住宅手当
- 扶養手当
などなど。
手当の名称は会社によって違いますが、とにかく『総支給額』です。
この提示年収の基本がズレてると、転職しても年収が下がってしまいます。
嘘をつくメリットがないから
転職エージェントが提示する年収はほぼ嘘じゃない理由1つ目は、『嘘をつくメリットがないから』です。
転職エージェントに限らずですが、信用を失うことは致命的。
リスクを追ってまで嘘の年収を提示するメリットがないんですね。
だって、
- 最終提示は企業から出る
- 成功報酬は年収に比例する
どういうことか詳しく考えてみます。
最終提示は企業から出る
転職エージェントが嘘をついて魅力的な年収例を提示したとしても、選考が進んだり内定が出たタイミングで企業からホントの年収が提示されます。
最終的に決めるのは当然転職エージェントではなく企業。
確実にバレる嘘をつくバカはいませんよね。
成功報酬は年収に比例する
しかも転職エージェントの成功報酬はどうやって決まるのかを考えてみてください。
僕たちが内定ゲットして転職を決めて入社したら、僕たちの『転職後の年収』に比例した成功報酬をもらうのです。
嘘をついて高い年収を提示した求人に応募されて転職されても、本当は低い年収なので転職エージェントの報酬も少なくなります。
つまり嘘をつくメリットはないのです。
提示額には幅を持たせているから
転職エージェントが提示する年収はほぼ嘘じゃない理由2つ目は、『提示額には幅を持たせているから』です。
こちらは転職エージェントが提示する年収例が嘘じゃない、というよりは大きくズレないですよ、という話。
転職後のあなたの年収は、あなたの年齢、経験、転職先の企業の業績、残業時間の具合など様々な要因で変動するので、必ずある程度の幅をもって提示されます。
- 500万円〜とか
- 600〜800万円とか
600万円しか出せないのに年収例600〜800万円って提示して、最終的に600万円ですって言っても嘘ではないですからね。
転職エージェントが提示する年収と違う理由
ほとんどの転職エージェントが嘘の年収を言わないということはわかりました。
でも現実として、求人票の年収例と最終的な提示年収が違うことは多くあります。
その理由にはどんなものがあるでしょう?
- 提示は理論年収
- 求人票の情報更新忘れ
- 経験・スキル不足で提示年収より低い
- 現職評価が低すぎて提示年収より上がる
- 嘘が疑われる場合はどうすれば?
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
提示は理論年収
転職エージェントが提示する年収と違う理由1つ目は、『理論年収だから』です。
先ほど言った『提示年収例には幅がある』とほぼ同じです。
要は、
概算だから多少ズレる
という至極当然の話です。
求人票の情報更新忘れ
転職エージェントが提示する年収と違う理由2つ目は、『求人票の情報更新忘れ』です。
これはわざとじゃないとはいえ、転職エージェントが結果的に嘘をついてる数少ないケース。
企業が提示する年収が変更されたのに、転職エージェントが求人票を更新しないことはごく稀にあるそうです。
少なくとも僕は経験したことはないので、かなりレアケースと思って大丈夫です。
経験・スキル不足で提示年収より低い
転職エージェントが提示する年収と違う理由3つ目は、『経験・スキル不足で提示年収より低い』です。
これだけ見るとちょっと悔しい&悲しい気もしますが、そんなに悪いことでしょうか?
- 経験はもの足りないな
- スキルはもの足りないな
- でもこの人と一緒に働きたいな
- 将来化けるポテンシャルがあるぞ
現時点での評価はイマイチなのは間違いないですが、悪い評価じゃないことも事実。
転職理由が年収アップじゃないのであれば、検討する価値はあると思いますよ。
現職評価が低すぎて提示年収より上がる
転職エージェントが提示する年収と違う理由4つ目は、『現職評価が低すぎて提示年収より上がる』です。
唯一うれしい誤算ですね。
選考を通してあなたが適正に評価された結果、現年収を大きく上回る年収を提示されたなんてことも。
これこそ理想的な転職・ステップアップですよね。
ま、こればかりを目指すとガッカリすることになるので期待しすぎないようにね。
嘘が疑われる場合はどうすれば?
転職エージェントが提示する年収例が嘘っぽい場合、どうすればいいでしょうか?
- ネットで平均年収と比較する
- 他のエージェントに登録し照合
- 面接時に応募企業に直接確認する
1個目も2個目も間接的な情報で不正確です。
なので、実質的な対処法としては3個目しかありません。
労力をかけて不正確な情報を得ることほど無駄はないので、さっさと選考に進んで想定される年収を聞き出しましょう。
転職エージェントに嘘の年収を伝えるのはNG
転職エージェントが提示してくる年収に嘘があるのかを確認してきました。
今度は、あなたが転職エージェントに伝える今の年収についてです。
現年収は嘘つくな!
これに尽きます。
絶対に守ってくださいね。
年収の嘘の定義
転職エージェントに嘘の年収を伝えるのはダメと言いましたが、どこまでが嘘なんでしょうかね?
基本的に伝える年収は、
- 常識的な範囲で概算
- 10〜20万円は誤差範囲
438万円です、とか今年は643万円で昨年は657万円でした、とか正確すぎると逆にわかりにくくて迷惑(過ぎたるは及ばざるが如し)。
人によって変わるし、僕の勝手な判断ですが、こんな感じなら一般論とズレることはないはずです!
- 590を600万円は全然OK
- 580を600万円はまーOK
- 575を600万円はギリOK
- 570を600万円はほぼ嘘
- 560を600万円は完全な嘘
なんとなくわかりますよね?
560、570万円なら四捨五入せずにそのまま560、570万円と伝えればOK。
もしくは、550〜600万円の間、とか600万円には及ばないくらい、みたいに幅をもたせてもいいかも。
嘘をつかない方がいい理由
転職エージェントに年収で嘘をつかない方がいい理由を一応確認しておきましょう。
たぶん予想通りだとは思いますが念のため。
- 嘘つきは人としてNG
- 嘘ついても年収アップしない
- 嘘つくと必要以上にハードル上がる
- 嘘がバレて信用を失うとヤバイ
順番にいきますね。
嘘つきは人としてNG
転職エージェントに年収で嘘をつかない方がいい理由1つ目は、『人としてNG』です。
当たり前すぎて説明はいらないですよね。
誰かが幸せになったり、誰も不幸にならない嘘はついていいと思いますが、年収の嘘はメリットがありません。
どういうことかは続きをご覧ください。
嘘ついても年収アップしない
転職エージェントに年収で嘘を付かない方がいい理由2つ目は、『嘘ついても年収アップしないから』です。
年収アップに繋がらないと言う根拠は、
- 相場は決まってる
- 給与テーブルが存在する
年齢や経験、スキルセットなどでほぼほぼ決まっていることが多いので、嘘が効果的とは思えません。
現年収を考慮してくれることはありますが、特に大きな会社になればなるほど決まった給与テーブルがあるので、その範囲を大きく超えることはないでしょう。
年収アップにこだわる人は、年収が高い業界に行くか、成果報酬型にするしかないです。
嘘つくと必要以上にハードル上がる
転職エージェントに年収で嘘を付かない方がいい理由3つ目は、『嘘つくと無駄にハードル上がるから』です。
運良く嘘の年収が功を奏して転職後の年収アップを手にしたとしても、仕事がめちゃくちゃ苦しくなる可能性大。
年収は仕事への対価なので、お給料をたくさんもらう人はたくさんの価値を提供しなきゃいけませんよね。
嘘がバレて信用を失うとヤバイ
転職エージェントに年収で嘘を付かない方がいい理由4つ目は、『嘘がバレたら信用を失ってヤバいから』です。
言い忘れてましたが一番大切なことを言います。
年収の嘘はほぼバレる
しかも年収の嘘がバレるのは、内定承諾して入社することが決まってからです。
つまり超ヤバい状況になります、なぜなら。
- 転職した瞬間に信用ゼロ
- 懲戒処分の可能性もある
これはなかなかヤバいですよね。
年収の嘘がバレる理由は後ほど確認しましょう。
嘘はダメだけど交渉はすべき
転職エージェントに年収で嘘をつかない方がいい理由を考えてきましたが、嘘はダメですけど交渉はしましょうね。
- 現年収が相場より安い
- 〇〇で大きく貢献できる
- 〇〇の費用が必要なので…
少しでも年収は上げたいのは誰でも同じなので、客観的に納得感のある理由を付け加えることは忘れてはいけません。
加えて、年収交渉の注意点。
- 高すぎる要求はNG
- しつこい交渉はNG
常識の範囲内で交渉してください。
基本的には転職エージェントに任せるのが楽だし、効果的です。
転職エージェントへの年収の嘘がバレる理由
さきほど少し話した通り、転職エージェントに年収の嘘をついてもはぼ確実にバレます。
なぜでしょうか?
- 源泉徴収票
- 相場との不一致
- 言動との不一致
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
源泉徴収票
転職エージェントへの年収の嘘がバレる理由1つ目は『源泉徴収票』です。
転職すると転職先での年末調整のために源泉徴収票の提出を求められます。
で、バレます。
ただ、採用担当と源泉徴収票を見る人が違ったり、嘘がバレない可能性はありますが、バレないからといって嘘をついていいことにはなりません。
相場との不一致
転職エージェントへの年収の嘘がバレる理由2つ目は『相場との不一致』です。
これは書類選考の段階でバレるパターン。
なぜなら転職エージェントも応募企業の採用担当もプロなので、年齢や経歴、業種などの相場からおおよその年収は把握しています。
なので相場から大きく乖離するような嘘年収は割とカンタンにバレます。
そして信用を失い、書類選考で落ちることでしょう。
言動との不一致
転職エージェントへの年収の嘘がバレる理由3つ目は『言動との不一致』です。
これは面談や面接など選考が進んで行ったときにバレるパターン。
現実とかけ離れた嘘年収を伝えた場合、会話や受け応えの質で『ん?このレベルでこの年収?嘘じゃね?』ってなります。
よほど上手にアピールしない限り、嘘年収への疑念を晴らすのは難しいでしょう。
【Q&A】転職エージェントと年収の嘘
最後に転職エージェントと年収の嘘についてよくある質問に回答しておきます。
現職の年収は選考に影響する?
悪い方向に影響する可能性はあります。
だって年収が低いということは何か問題があるのでは?と思う可能性もあるから。
ただし、ちゃんと面接でアピールできれば提示額を超える年収もあり得ます。
現職での評価が適正じゃないだけ、と判断される可能性もあるからです。
いずれにせよ、嘘の年収を伝えていい理由にはなりませんね。
間違った年収を伝えてしまったら?
こんな質問するまでもないと思っているのですが、意外とあるのです。
答えはシンプル。
すぐに訂正しましょう。
なぜ間違えたのか?も聞かれたら答えられるように準備しておいてくださいね。
【まとめ】転職エージェントと年収の嘘
転職エージェントと年収の嘘について、2つの大きな問題について考えてきました。
最後にまとめておきます。
転職エージェントがあなたに嘘をついているか?の問題について。
- 転職エージェントが提示する年収にほぼ嘘はない
- なぜなら嘘をつくメリットがないから
- 確認する方法は企業に直接
続いて、あなたが転職エージェントや企業に嘘をつくことについて。
- 嘘はつくな
- 年収の嘘はバレる
- 源泉徴収票を出すから
- 最悪懲戒処分の対象になる
嘘の年収で自分を大きく見せるような無駄な小技を使うくらいなら、転職エージェントに書類添削してもらったり、面接の練習をしてもらいましょう。
あなたの魅力を引き出すためのアドバイスをくれますよ。
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