
転職を考えると確実にぶち当たる問題ですよね?
高年収を得るためには会社の近くに引っ越した方がいいとか、片道2時間かけてでも会社に尽くした方が将来的に高年収になるとか、真逆の情報を耳にしたことがあると思います。
本記事ではこんな疑問に答えるために、色々なデータから通勤時間と年収を考えていきます。
まずはタイトルを回収します。
通勤時間10分増=年収19%減
というのは海外の研究の結果です。
日本でもあてはまるかは微妙なので、本記事では他にも色んなデータを使って通勤時間と年収の関係を考えていきます。
ざっくりとした内容はこんな感じです。
- 相関はあるが因果は不明
- 人によるので答えはありません
- 判断基準を考えたので紹介します
目次からスキップできるので好きなところから読んでもらえればOKです。
それではまいりましょう!
通勤時間と年収の関係
まず通勤時間と年収の関係を考えていきます。
先に結論を言うと、
- 通勤時間が長いほど高年収
- でも通勤時間が理由じゃない
いろいろな調査結果のデータを元に順番に考えていきましょう。
通勤時間が長いほど年収は○○
まずは通勤時間が長いほど年収が高い、という相関関係ありって話です。
居住都道府県別に通勤時間と賃金(年収ではないけどほぼ同じと考えます)の関係をみてください。
グラフが右肩上がりになっているので、明らかに相関がありますよね。
- 通勤時間長い→年収高い
- 通勤時間短い→年収低い
でもだからといって、通勤時間が長い人は必ず年収が高いのでしょうか?
そんなわけがないだろ、ってことはなんとなくわかりますよね。
と、ここで仮説。
- 高年収の仕事は首都圏に多い
- 首都圏で働く人が高年収
- 首都圏で働く人が近郊に住む
- 首都圏近郊の通勤時間が長くなる
例えばですが、給料の安い工場勤務は地方に多いので勤務先近くに住む人が多いし、フリーターや派遣社員などの非正規労働者も長時間通勤はしない傾向にあるのではないか、と。
この仮説を元に別のデータをみていきます。
通勤時間が長い理由は○○
続いて通勤時間と年収の関係を勤務地別でみてみます。
するとやっぱりこれにも相関がありました。
右に行く(通勤時間が長くなる)ほど上に行く(年収が高く)なっています。
このことから言えることはなんでしょうか?
ある程度長い通勤時間でも都心で働くメリットはある
なんだか嫌な結論になってきましたね。
でも、ここで忘れてはいけないのは『通勤時間が長いから年収が高いわけではない』ということ。
『通勤時間が長い人の中に年収が高い人が多い』というだけです。
通勤時間が長いけど低年収の人もいれば、通勤時間が短いのに高年収という人もたくさんいますので。
高年収なら長い通勤時間も受け入れがち
通勤時間と年収に相関関係があって、高い年収のためなら長い通勤時間でも妥協すべき、というのは個人的にはどうも納得いきません。
そこで次の考え。
通勤時間を妥協して高年収もらっても結局辛かったら本末転倒じゃない?
というわけで、また別の研究結果をみてみましょう。
根拠となる文献紹介
通勤時間が10分長くなると仕事への満足度は年収19%減に相当する、という研究結果です。

直接的な年収への影響ではありませんが、年収19%減と同じだけ満足度が下がるというのは聞き捨てならない事実じゃないですか?
数字で計算してみたら…
さきほどの研究結果は海外の論文なので、日本にも当てはまるかはわかりません。
しかも満足度って曖昧だなぁと思ったので、数字で計算してみました。
今の年収を得るためにどのくらいの時間をかけているか知っていますか?
だから何なんだよ?って思いましたよね。
ここでさっきの論文です、通勤時間10分が年収19%に相当するってヤツ。
では通勤時間10分を数字だけで考えてみましょう。
もちろん時給換算することも、単純に数字だけで考えることも正しくないのはわかっていますが、あながち間違った数値ではないと思います。
あなたはこの結果をどう考えますか?
通勤時間10分=年収3~4%分
通勤時間?年収?判断基準を考える
通勤時間と年収についてのいろいろなデータや計算結果をみてきましたが、結局どうすればいいのか?がわからないままですよね…
そこで判断基準を設定したいと思います。
パッと判断できますか?
例えば転職活動を始めたとして、こんな求人があったとき、現職より良い条件か悪い条件か?をパッと正しく判断できますか?
年収700万で片道通勤時間1時間50分
vs 年収680万で片道通勤時間1時間
vs 年収680万で片道通勤時間1時間30分
vs 年収450万で片道通勤時間15分
こんな場合に間違った判断をしないための基準を紹介します。
年収と通勤時間以外にもたくさんの条件があるので、あくまで参考ですけど。
判断するための計算式
通勤時間と年収のどちらをとるべきか?はシンプルに数字で判断します。
さきほど紹介した論文&僕の計算結果&計算しやすいように10分で5%とします。
通勤時間がどのくらい増えるか(減るか)と今の年収を入れてみてください。
通勤時間が増える場合は計算結果くらいの年収をもらえないとダメで、通勤時間が短くなるなら計算結果くらいまでなら年収が下がっても大丈夫ってことです。
年収増が確実なら通勤時間伸びてもOK?
判断基準は絶対に本記事で紹介した考え方じゃなきゃいけないのか?というと違います。
それ以外にも判断基準はあります。
ケースバイケースなのでそれぞれ詳しく確認していきましょう。
年収を優先した方がいい場合
通勤時間と年収を考える際のもうひとつの判断基準はこれ。
- 年収アップが確実な場合
- 年収アップ幅が十分な場合
今の年収や転職時の提示年収があまり高くないからといって、あっさり切り捨ててはいけません。
これから年収が上がるならこのまま今の会社にいた方がいい場合もあれば、年収が上がる希望がないなら転職しちゃった方がいいっていう場合もあるからです。
年収アップが見込めるかの判断基準
では、年収アップが見込めるかどうかはどうやって見分ければいいのか?
絶対的なルールはないし、当然あなたがどれだけ仕事を頑張るかにもよりますが、おおよそ年収アップが見込めるかどうかを判断することはできます。
- 平均年収や口コミ
- 平均年齢や人数構成
- スキルが溜まる仕事か
このあたりをしっかり調べたり、先輩に聞いたり、2ch覗いたりして見極めるようにしてください。
唯一の判断基準はありませんが、間違った判断をしてしまうリスクをなるべく小さくすることはできます。
通勤時間?年収?どうしたいの?
ここからは通勤時間と年収のどっちを取るべき?という問題に答えていきたいと思います。
ですが、その前にはっきりしておくべき問題があります。
あなたはどうしたいの?
意外にも、この質問にすぐに答えられない人、けっこういるんですよね。
これから4つのパターンにわけて、どうすればいいかを確認していきますのでご安心ください。
通勤時間が辛くて現年収も不満
まず通勤時間が長くて辛いだけじゃなくて、今の年収にも不満があるあなた。
転職しましょう!
通勤時間か年収の少なくともどっちかが満足できる仕事を選べばいいだけです。
確実に仕事や生活の満足度は上がります。
通勤時間は辛いけど現年収は満足
続いて通勤時間は長くて辛いけど年収には満足しているあなた。
- じっくり考えて!
- 判断を急がないこと!
まずは時差通勤やリモートワークの可否など現職で働き方を変えることができないか?を確認しましょう。
その上で転職活動を始めておきましょう。
転職活動をする場合の注意点は次の2つ。
- 条件をきっちりと絞る
- 一切妥協をしない
焦る必要はありません。
満足できる年収をもらえてる時点であなたは優秀側ですから、求人を吟味しても転職できる可能性は高いです。
通勤時間は平気だけど現年収に不満
続いて通勤時間は長くて辛いけど年収には満足しているあなた。
- じっくり考えて!
- 判断を急がないこと!
まずは現職で年収アップ、昇格の道筋をしっかり調べましょう。
その上で転職活動も同時並行で進めます。
転職活動は急がずにじっくり、満足できる求人が出てこない限りむやみに応募しないでくださいね、時間と労力のムダなので。
通勤時間も平気だし現年収にも不満なし
最後に通勤時間もそれほど長くなくて辛くないし年収にも特に不満がないという幸せなあなた。
- 現状維持しよう
- 幸せを実感して
仕事大好き人間ならそのままでもいいですが、僕みたいな人なら仕事が辛くならないようにいい感じに手を抜きつつやっていきましょう。
どうしようもない場合
番外編として、いろいろな事情により通勤時間も年収もどうにもならない人へ。
通勤時間は短くできなくても、通勤ストレスを減らすことはできます。
動画ばっか観てないで通勤時間を有効活用しろ!活用法20選をご紹介!を参考にストレス低減を試してみてください。
【まとめ】通勤時間と年収の関係
最後にまとめます。
- 通勤時間と年収は相関する
- 通勤時間が長いほど高年収
- でも決して因果関係ではない
つまり通勤時間が長い方がいいという結論にはなりません。
ではどうすればいいのか?
- 計算して適切年収を判断する
- 年収アップ見込みを判断する
例えば転職活動をする場合、今の年収と通勤時間と比べればいいだけ。
もう一度計算式を置いておくので計算してみてください。
僕は通勤時間短縮を目的に転職をして本当に大正解でした。
年収はほぼ変わらず通勤時間が大幅に短くなって、生活の満足度が桁違いに上がりましたので。
ただ、むやみに転職をおすすめするわけではありませんので、『どうしたいのか?』をしっかり考えた上で、じっくりと対処法を決めてくださいね。
本記事がその助けになったらうれしいです。
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